巻頭言

(戦災資料センター・ニュースNo.42より)皆さん、本年もどうぞよろしくお願いします。昨年5月に名誉館長の早乙女勝元さんが亡くなりました。改めて哀悼の意を表します。早乙女さんは1932年生まれでしたが、兵士で言えばだいたい1930年生まれの人たちが、最年少の少年兵として敗戦を迎えた世代になります。その人たちも90代ですから、一つの時代が終わろうとしていることを改めて実感します。2023年の今年から、明治維新から敗戦までの年より戦後史の方が長くなります。その長い戦後という時代を、私たちは、戦争とは直接かかわらずに生きてきました。日米軍事同盟を通じて、様々な形で「アメリカの戦争」に関与してきたとはいえ、武力行使の直接の主体とはならなかったという意味では、平和な社会を作り上げてきたと言えるでしょう。しかし、ここに来て逆流が急速に強くなってきたように感じます。早乙女さんの遺志を継ぎながら、今年は平和のために自分に何ができるか、自問自答する年にしたいと思います。

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