館長ごあいさつ

(戦災資料センター・ニュースNo.36より) 少し時期遅れになるかもしれませんが、明けましておめでとうございます。多くの方々に励まされ支えられながら、東京大空襲・戦災資料センターも新しい年を迎えることができました。改めて感謝申し上げます。本年は展示リニューアルの完成というセンターにとって大きな節目の年となります。今まで以上のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。お正月に片渕須直監督の「この世界の片隅に」を、娘と一緒に(ここが重要)見てきました。呉軍港を舞台にして、人々の日々の生活の営みの中から戦争の残酷さ、不条理さを描いたみずみずしい作品です。さりげなくではありますが、植民地支配や軍隊と性の問題を取り上げていますし、呉空襲や原爆のシーンも迫力があります。特に原爆の爆風のすさまじさが強く印象に残りました。映画を見終えてふと考えたことは、原作者のこうの史代さんに東京大空襲の漫画を描いてもらえないかということでした。こうのさんは『夕凪の街 桜の国』以来、私の好きな漫画家の一人ですが、そのこうのさんに直接お会いして、東京大空襲の漫画をお願いする。これが私の「初夢」です。

 

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