これまでの実績を踏まえて 来春は開館10年の節目です

 2011年7月1日(戦災資料センター・ニュース No.19より)
 私どもの戦災資料センターも、来年で開館10年の節目を迎えます。
 寒空の下での開館式が、昨日のことのように思い出されます。東京大空襲の惨禍の継承を掲げて、民間募金に踏みきったものの、雲をつかむような話でした。にもかかわらず、皆さんのご芳志で見事に竣工した時には、胸に溢れるものがありました。
 全国各地からの来館者は、もう少しで10万人です。それが急に足踏み状態となりました。東日本大震災の影響で、東京への修学旅行がキャンセル続きの激減。財政的にもかなりの打撃ですが、目下、来年度の予約が増えつつあるのは救いです。
 これまで、年に平均1万人余の来館者を迎えたことになります。「炎の夜」の10万人もの声なき声を、けんめいに語りついで、10年近くを要したことを考えますと、そのいのちの重みに、目がくらむような気がします。しかし、年ごとに増す修学旅行生徒への継承は、未来世代への、平和の種まき仕事かもしれません。
 「死んだ人たちの分まで、私たちは生きなければいけないのです。過去は変えられません。でも、これからの未来を変えることはできます。それは東京大空襲を通して、今の私たちがどうするかにかかっているのです」
 そんな中学生の感想文を読むと、平和の種が、かれらの心に届いたことがわかります。しっかりと根をおろし、それぞれの個性ある発芽期が、これまでの実績を踏まえた来春からの期待であり課題です。
 道理に感動が加われば、人は変わるのです。ましてや10代の多感な思春期には、一冊の本、一本の映画ででも、心の震える瞬間があります。それがその人の「初心」になるのだとすれば、当センターとの出逢いは、平和への主体的な糧にもなりましょう。
 さらなるご支援を、お願いする次第です。

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