05年2月1日(戦災資料センター・ニュース No.6より)
戦後60年という、歴史的な節目を迎えました。東京大空襲「炎の夜」からの60年ももうすぐです。
人間の体験は、60年単位で「歴史」に移行するといわれています。とすると、当時、人の子の親だった方の語りつぎは、限界に近づきつつあるということ。体験者がいなくなった後は資料や記録を活用しての追体験による知性に頼らざるをえませんが、現在の東京には、公立の戦災記念館もなければ、平和公園もありません。
戦争をふせぐには、戦禍の実態を知らねばならず、小さい者や弱い者の立場で学ぶべきです。昔も今も国の内でも外でも、かれらが常にもっとも深刻な犠牲者だからです。災害は忘れた頃にやってくる、といいますが、戦火も同じで、「知っているなら伝えよ、知らないなら学べ」の正念場に来た、と痛感しています。知ること学ぶことが、ジワジワヒタヒタと迫ってくる土石流への、くさびの一つにもなりましょう。
そういう意味で、民立民営の当センターの存在意義が、ますます重さを増してきました。いっそうのこ支援をお願いする次第です。
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