東京大空襲・戦災資料センターでは、2015年から展示ガイドのボランティア制度がスタートしました。現在、幅広い年齢層にまたがって約20名の方が登録しています。
東京空襲を常設で総合的・専門的に扱う公立博物館がない現状で、民立民営のセンターには毎年たくさんの修学旅行生や一般のお客様が見学に訪れます。ガイドのみなさんは、そうした見学の現場で来館者に向き合い、それぞれ熱心にガイドしてくださっています。春と秋の修学旅行シーズンは特に大活躍です。
実際のガイド活動のほかにも、年に数回の頻度で研修会や茶話会をひらき、みんなで親睦を深め、学び合いながら、空襲や戦争、そして平和の伝え方を模索しています。時には空襲体験者の方々もそういった場に加わり、体験世代・非体験世代が一緒になって展示ガイドをつくりあげようとしています。
最近では、ガイドの方の人数も増え、関心も多様になってきました。そこで、今後は館内展示品のガイドだけでなく、フィールドガイドやワークシートづくり、イベントの企画・広報など、それぞれの関心に沿ってより幅広く主体的に活動できるよう、環境を整備していきます。
また、体験者世代が減少するなかで、これまで体験者の方々が担ってきた体験のお話を今後10年・20年と続けていくためには、非体験者による語り継ぎが欠かせません。ふだん体験者の方々と現場で接しているガイドの方々は、その担い手ともなれるでしょう。
開館当初、センターには様々な活動を通してセンターを支援する「友の会」が存在しました。ですが、メンバーの高齢化などにより活動休止の状態になってしまっています。空襲から70年以上が経った今、空襲の歴史・体験・記憶や体験者の想いを次の時代に「継承」していくうえで、体験者・博物館と来館者をつなぐ役割はこれまで以上に重要になっています。その役割を担うのがガイドボランティアの方々です。
ボランティアは常時募集しています。関心のある方は、ぜひ、センターを舞台に、自らの関心に沿って、様々な活動に取り組んでみてください。戦争体験を伝えることや子どもたちの教育に関心のある方、専門的なノウハウをおもちの方、地域での社会活動に関心のある方など、「空襲を伝え、これからの平和につなげる」というセンターの基本理念にご賛同いただける方であれば、どなたでも大歓迎です。センターもできる限りサポートします。そうしたひとりひとりの活躍が、空襲体験を次代に「継承」し、「平和」をつくる・まもるための力になることでしょう。
- 現時点ではセンターに来館する団体への案内・展示ガイドが基本です。ひとつの団体につき2~3時間程度です。ご都合のいい日時・時間帯を選んで参加できます。意欲のある方は展示ガイド以外の新たな活動分野を切り開いていただいても構いません。
- ボランティアのため報酬などはありません。センターまでの交通費(往復)のみ実費で支給いたします。
- 特典として、入館料無料、センター広報誌『ニュース』の送付など、センター維持会員と同等のサービスが受けられます。このほか、実物資料に触れる、空襲体験者と日常的に交流する、研修などを通じてガイド仲間・学芸員・研究員と一緒により深い学びを得られるなど、一般来館者とはまた違った博物館体験をすることができます。