東京大空襲・戦災資料センターでは、2026年12月から2027年1月にかけて、3回の市民講座を開講します。日本では、空襲といえば日本人の戦争被害と考えられがちです。今回の市民講座では、ドイツの歴史認識、日本軍の中国空襲、国際法と国際刑事裁判所(International Criminal Court: ICC)を取りあげ、視野を広げていきたいと考えています。
第1回:「戦後80年」ドイツの歴史認識
第2回:日本軍の中国空襲
第3回:国際刑事法の現在—トランプ大統領はなぜICCを攻撃するのか
*3回それぞれ、開催の時間帯が異なりますので、ご注意ください。
*第1回と第3回は後日の録画配信(有料)があります。
〇各回共通
場所:センター1F映像講話室
参加費(入館料含):一般2000円、U25・会員1500円、障害者等の介助者・付き添いは1名まで無料
定員:40人(要申し込み)
<第1回>「戦後80年」ドイツの歴史認識
日時:2026年12月20日(日)14時~16時
ドイツは日本と同じく第二次世界大戦の敗戦国であり、ドイツの都市は空襲と地上戦で破壊されました。一方、日本と違って一般戦災被害者も平等に補償し、また、戦争責任を果たす努力を積み重ねていると言われてきました。そのドイツも戦後80年が経過し、揺れています。第1回では、歴史認識のあり方について、ドイツを事例に学びたいと思います。
講師:木戸衛一さん
大阪大学招へい教授。専門は現代ドイツ政治、平和学。論文に「軍事化に抗する「戦争の記憶」―ドレスデン「〈一九四五年二月一三日〉協会」の歩み」『戦争社会学研究1』(勉誠出版、2017年)、「ドイツの「戦後80年」―「〈過去の克服〉の世界チャンピオン」の転落」『PRIME』49号2026年3月など多数。
講師から:過去に向き合う姿勢が日本と対照的で、長らく戦後デモクラシーの模範と見られていたドイツでも、ついに極右の州政権が誕生しようとしています。世界も日本も軍事化・野蛮化の坂道を転がり落ちようとしている今、日本と似たような近現代史を歩んできたこの国の来し方行く末についてご一緒に考えてみたいと思います。
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*12月17日(木)締切
〇後日の録画配信(12月28日配信開始予定 配信サービスPeatixでの登録と支払いが必要)
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<第2回>日本軍の中国空襲
日時:2027年1月16日(土)15時~17時
日本は、空襲を受けたばかりではなく、空襲をした側でもありました。第2回では、日本軍による中国の都市への空襲について、重慶空襲を中心に学び、歴史認識を深めたいと思います。
講師:伊香俊哉さん
都留文科大学名誉教授。専門は日本近現代史。『カラー映画に撮られた重慶大爆撃』(共著、NPO法人都市無差別爆撃の原型・重慶大爆撃を語り継ぐ会編、2023年)、『重慶爆撃とは何だったのか』(共著、高文研、2009年)、『戦争はどう記憶されるのか 日中両国の共鳴と相剋』(柏書房、2014年)、『満州事変から日中全面戦争へ』(吉川弘文館、2006年)など多数。
講師から:満州事変以後、日本軍は錦州、上海への爆撃を実施し、日中戦争開始後には中国全土各都市への爆撃を繰り広げました。なかでも南京陥落後に戦時首都となった重慶に対しては、1939年から1941年までの3年にわたり、延べ100数十日にわたる空襲を実施しました。日本はなぜ執拗に重慶を爆撃したのか、爆撃はどのように行われたのか、爆撃は重慶の人びとに何をもたらしたのか、また爆撃は国際法でどう規制されていたのか、戦略爆撃に効果はあるのかなどについても、考えて行きます。
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*1月13日(水)締切
*第2回は録画配信はありません。会場開催のみとなります。
<第3回>国際刑事法の現在—トランプ大統領はなぜICCを攻撃するのか
日時:2027年1月31日(日)13時~15時
戦争によって民間人が被害を受けたとき、その事実を明らかにするだけでなく、誰がその責任を負い、誰が、どのような法によって裁くのかという問題が残ります。空襲と戦争に歯止めをかけるためには、国際法は重要です。第一次世界大戦の後、戦争そのものを違法とする動きが生まれ、第二次世界大戦を経て国連憲章へとつながっていきました。また、空襲などの戦争の手段を規制する国際条約・国際法も生まれました。こうした国際人道法の重大な違反の中には、戦争犯罪として個人の刑事責任が問われるものがあります。ICCは、集団殺害犯罪、人道に対する罪、戦争犯罪に問われる個人を訴追する常設の裁判所です。近年、そのICCを大国が敵視する動きが強まっています。第3回では、ICCと国際法について知り、戦争と民間人被害をめぐる責任のあり方について考えたいと思います。
講師:竹村仁美さん
一橋大学教授。専門は国際刑事法。著書に『国際刑事裁判所の検察官の裁量』(信山社2022年)、共著に『概説国際法』(有斐閣 2024年)、『18歳からはじめる国際法』(法律文化社2025年)、論文に「露ウ戦争・ガザ紛争と国際刑事裁判所(ICC)」『法学教室』2026年3月号など多数。
講師から:トランプ大統領は1期目以来、国際刑事裁判所(ICC)の検察官や裁判官に制裁を科してきました。直近では、ICCという国際組織自体に制裁を科すことを表明しました。なぜ米中露はICCを敵視するのか。本講座では、ICC設立までの国際刑事法の歩みを振り返り、日本と国際刑事司法の関わり、ICCの役割と機能、そしてICCの危機について検討します。
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*1月28日(木)締切
〇後日の録画配信(2月11日配信開始予定 配信サービスPeatixでの登録と支払いが必要)
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