建物の外観は三沢浩氏がデザインしました。上に向かうにつれて色が変わる外壁は、1945年3月10日の夜、真っ赤に染まった空の様子を表現したものです。
建物正面の右手には、河野新さんが制作した母子像「戦火の下で」と、施設の建設募金にご協力いただいた方々のお名前を刻んだレリーフがあり、その周りに当時の防火用水の現物などが置かれています。正面左手には、東京の中学生・高校生たちが募金をあつめて完成させた「世界の子どもの平和像(東京)」があります。さらに左手にはお稲荷様があります。これは、もともとこの地に祀られていたもので、土地を寄贈してくださった方のご意向により、現在もお祀りしています。
建物に入って左手側は政治経済研究所とセンターの事務室です。
入って右手側に進むとセンターの受付、開架書庫、調べもの・談話用のスペースがあります。
本館1階を奥に抜けると別館の映像講話室があります。
ここでは、大きなスクリーンで映像資料を鑑賞したり、空襲体験者のお話を聞いたりすることができます(ご予約が必要です)。通常は、一般来館の方のためにガイダンス映像を常時上映しています。室内には、空襲による焼失地域などを示した被災地図、空襲のことを描いた絵画、焼け跡の写真などのほか、焼夷弾がかすめたピアノなどを展示しています。また、東京の空襲だけでなく、世界や日本各地の空襲も取りあげ、現在まで続く空襲の歴史の概要を年表形式で展示しています。
なお、特別展の会場としても使用します。
本館に戻って2階に上がると常設展示室があります。2階に続く階段の天井付近にはB29の模型が展示してあります。
常設展示室は、東京の空襲をメインテーマとして、「戦時下の日常」・「空襲の実相」・「空襲後のあゆみ」・「証言映像の部屋」という4つのコーナーで構成されています。空襲前(関東大震災後)から現代までを射程に入れた内容です。モノ(実物)・写真・体験(体験記、体験画)・映像・証言などの資料に、再現・模型の展示などを組み合わせ、空襲にあう前の人びとの暮らしはどのようなものだったのか、空襲で人びとはどのような体験をしたのか、空襲後、人びとはどう生き、日本社会は空襲や被害者のことをどう受け止めてきたのか、展示しています。
3階は一般の来館者は基本的に入れない非公開のスペースです。
閉架書庫・資料整理室・収蔵庫など、センターの資料保存に関するスペースと、政治経済研究所・センターが研究会や会議などを開催する会議スペースがあります。