【13】東方社の未公開写真が写真集になりました
『東京大空襲─未公開写真は語る』
新潮社から刊行
今年の2月18日〜4月8日にかけて開催した特別展「東方社写真部が記録したアメリカ軍の無差別爆撃」。そこで見ていただいた東方社の写真をテーマに、2冊の本が新潮社から同時刊行されました。
最初に紹介するのが、『東京大空襲―未公開写真は語る』。初めてB29によって攻撃された昭和19年11月24日から翌年5月29日の横浜まで、特別展で展示した写真を中心に、詳しい解説付きで時系列に沿って見応えのある写真が並ぶB5判、160ページの写真集です。黙々と瓦礫を片付ける人たち、廃墟のように壊された学校、ありあわせの棺の前に立つ放心したような表情の少女。特別展で強く印象に残った写真を手元でもう一度じっくりと見ていくと、さまざまな思いが湧いてきます。巻末には「アメリカ軍無差別爆撃の写真記録」と題したセンターの山辺昌彦主任研究員による解説も収録され、東方社の活動の軌跡や今回発見された写真がもたらした意義について知見を深めてくれます。
東京大空襲―未公開写真は語る
著者:NHKスペシャル取材班/山辺昌彦
出版社:新潮社
発行日:2012年8月13日
ISBN:978-4-10-405604-0
定価:1800円+税
同時発売の『ドキュメント 東京大空襲』についてはこちらから。
◆目次より
- 東京大空襲 無差別攻撃の記録(NHKスペシャル取材班)
- 東京大空襲焼失地図
- 昭和一九年(一九四四)一一月二四日
- 東京をB29が初めて襲った日 荏原区の民家、工場
- 昭和一九年(一九四四)一一月二七日
- 懸命のバケツリレー 原宿駅前の民家、海軍館、東郷神社
- 昭和一九年(一九四四)一二月三〜四日
- 徹夜の鉄道復旧作業 荻窪陸橋(天沼陸橋)
- 昭和一九年(一九四四)一二月三日
- 無差別攻撃の脅威 高井戸第四国民学校
- 昭和二〇年(一九四五)一月二七日
- 皇都炎上 銀座界隈
- 昭和二〇年(一九四五)一月二七日
- アメリカ軍機墜落 千葉県酒々井町
- 昭和二〇年(一九四五)一月二八日
- 大学も病院も神社も 日本医科大学、根津神社
- 昭和二〇年(一九四五)四月二日
- 山里を震撼させた墜落機 西多摩郡吉野村柚木
- 昭和二〇年(一九四五)四月一三〜一四日
- ジャンヌ・ダルク像の遺影 雙葉高等女学校、上智大学
- 昭和二〇年(一九四五)五〜六月
- 焼け跡に生きる 麹町区九段〜神田区須田町
- 昭和二〇年(一九四五)五月二四〜二六日
- 図書館炎上 慶応義塾大学、泉岳寺
- 昭和二〇年(一九四五)五〜六月頃
- 決死敢闘 軍需工場の勤労動員学生
- 昭和二〇年(一九四五)五月二九日
- 暗黒の灼熱地獄 横浜
- 写真の証言
- 「撃ちてし止まむ」 大空襲前夜の陸軍記念日/銃後の護り 防空訓練/戦時下の子供たち/銀座ファッション事情/超空の要塞 B29/恐るべき“絨毯爆撃”/焼け野原からの再起
- アメリカ軍無差別爆撃の写真記録(山辺昌彦)