【10】「戦争災害研究室」が発足しました
市民の受けた戦争災害について
研究を深めていきたいと思います
戦災資料センターでは、1970年に誕生し、それ以来、30余年にわたる「東京空襲を記録する会」の活動を継承し、空襲体験を語り伝える作業を続けてきました。今年4月、新たに「戦争災害研究室」をセンターの付属研究室として設立し、「市民の受けた戦争災害」について専門家の方々と協同し、研究を深めていくことになりました。室長には、『昭和天皇の終戦史』(岩波新書)、『日本人の戦争観』(岩波現代文庫)などの著者として著名な吉田裕氏(一橋大学教授)をお迎えし、センターのスタッフ・各ジャンルの専門研究者がメンバーとなって、研究の成果を館内の展示や社会に広くアピールしていきます。
6月11日、第1回の研究会を開催し、最近刊行された『岩波講座アジア・太平洋戦争』第6巻所収の論文、大岡聡・成田龍一著「空襲と地域」について討議しました。研究室では、これから月1回のペースで研究会を開催し、『戦争災害研究室だより』を発行していきます。『研究室だより』の内容は、随時ホームページで公表します。
今も毎日のように、戦争を体験された方々、受け継ぐ若い人たちの訪れる、生きた体験継承の場の中に、このような研究室を設立できたことは、大変意義深いことと思っています。これからも、みなさまの暖かいご支援・ご指導のもと、雛として歩みだしたばかりの研究室を育てて頂ければと思います。(山本唯人)