【05】3月4日の「東京大空襲を語り継ぐつどい」
多くの方の参加をいただき、大盛況のうちに終わりました
3月4日の土曜日、戦災資料センター開設4周年を記念した「東京大空襲を語り継ぐつどい」がティアラこうとうで開催されました。写真をもとに、当日の模様を簡単にご報告いたします。
会場のティアラこうとう。ぐずついたお天気が続いていた東京ですが、この日は気持ちよく晴れ、気温も上がりました。すでに開演1時間前ぐらいからかなりの混雑となり、多くの方が立ち見となってしまいました。
まず前半は、下町ピース合唱団とこの灯を永遠に合唱団による「NO WAR! 子どもたちに笑顔のあかりを」の合唱からスタート。指揮は盛田悦郎さん。
続いて、本日のメインゲスト、俳優・演出家の小沢昭一さんが登場。大阪出身の芸人さんで、東京大空襲で亡くなった立花家扇遊師匠のエピソードを中心に、笑わせ、ほろりとさせながら、ぐいぐいと会場全体を小沢ワールドへと引き込んでいきます。遺体の山をかき分けていくと、一番下から奥さんと手を繋いだ姿で見つかったという扇遊師匠の最期にじーんときた余韻のなか、お国のために死ぬことを強要したあのマインドコントロールの時代の再来を許してはならないと、最後に強く訴えられたのが、印象的でした。
小沢節をたっぷり堪能したあとは、早乙女館長による「いよいよ、これからが大事」というスピーチ。戦災資料センターの増築に向けた募金の呼びかけなど、センターを巡るお話のあと、これまで掘り起こされていない体験を語り継いでいく例として、深川電話局の交換手として亡くなった年若い28人の乙女たちの人数をがま口の金属の数で確認していくことなどをしみじみと語られました。
休憩をはさんで後半は、この灯を永遠に合唱団による合唱組曲「燃える川」(指揮:堀喜美代さん・ピアノ:長久真実子さん)の演奏からスタート。陰影に富んだ長大な物語が、ドラマチックに歌われました。
続いて、戦災資料センター友の会がこれまで5回にわたって開催してきた「空襲体験を語り聞く会」の記録が、ビデオで紹介されました。あの夜を体験した方ならではの実感のこもった言葉が、ずしんと胸に響きます。
戦災資料センターが昨年夏に発行したガイドブック『東京大空襲を歩く』を手に、実際にそのなかで紹介されているコースを辿ってあの日を偲んだ体験を、京都からわざわざ駆けつけてくださった北野一子さん(永代2丁目ご出身)が披露してくださいました。
江東区内の小学校の3年生2人が、センターを見学して資料や映像を見たり、体験者のお話を聞いたときの印象をいきいきと作文にまとめて、朗読してくれました。
このつどいの主催者側を代表して、小保方貞夫さんによる、閉会の挨拶。
最後は、参加者全員による「ねがい」の合唱。広島市立大州中学の有志のみなさんが作詞した印象的な歌をみんなで声をそろえて歌って、会はお開きとなりました。
当日配布されたA4判4ページからなるパンフレットの1ページ目(プログラム)。あとの3ページは、小沢昭一さんのプロフィール紹介や、つどいで歌われた合唱の歌詞などが掲載されています。
東京大空襲を語り継ぐつどい
東京大空襲・戦災資料センター開館4周年
とき:2006年3月4日(土)13時30分〜16時30分
ところ:ティアラこうとう大会議室
プログラム
司会:細井美穂 岩崎友紀子
13:30 開会
☆合唱 「NOWAR! 子どもたちに笑顔のあかりを」
詩:吉村ミエ曲:井手口吏朗
合唱:下町ピース合唱団、この灯を永遠に合唱団
指揮:盛田悦郎
☆講演 「明日(あした)の心」
小沢昭一(俳優・演出家)
☆あいさつ「いよいよ、これからが大事」
館長・早乙女勝元(作家)
(休憩10分)
第2部
☆合唱 合唱組曲「燃える川」より
詩:滝いく子曲:林学
合唱:この灯を永遠に合唱団
指揮:堀喜美代 ピアノ:長久真実子
☆東京大空襲を語り継ぐ(発表)
[1]友の会の空襲体験を語り聞く会
[2]ガイドブックを手に「東京大空襲を歩く」 北野一子
[3]戦災資料センターを見学して 小学生
☆閉会あいさつ
☆合唱 全員合唱「ねがい」
詞:広島市立大洲中学校2002年3年生有志
補作詞:山ノ木竹志 曲:たかだりゅうじ
東京大空襲を語り継ぐつどい実行委員会
東京大空襲・戦災資料センター
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