戦災資料センターニュースNo.34 より転載

―若い世代―
◆資料の数は一見少ないように感じますが、東京大空襲に関わる諸要素のなかでも、それらのエッセンスがよく抽出されているように感じました。良い展示だと思います。また、悲惨な事実を伝えてはいるのですが、それを仕掛けた側、被害者側の善悪云々については語られておらず、観覧者の考え方を尊重する気持ち、考え方を押し付けない運営側の気持ちが感じさせられ、感動致しました。多面的な見方が邪魔されない展示だと思います。このような素晴らしい展示、資料館があることに感激しました。これからも末永く存続することを祈っております。(8月1日 北区 大学生 19歳)

◆今日、資料センターに来て良かったなと心から思っています。今日は、小2の時に東京大空襲を経験した祖母と、母と一緒に来ました。自分が住んでいた場所を指差しながら館内を見て回る祖母を見て、祖母が生き残って、そして母を産んでくれて良かったと思いました。感謝の気持ちでいっぱいです。私は中学生の時、学校側が平和をテーマに課題を出したり、新聞を書かせたりする学校だったので「戦争、平和」に関わりが深かったです。修学旅行では広島へ行き、原爆ドームを見て来ました。この資料センターと同様に、たくさんの資料を見て学びました。何度も衝撃を受けて被災した方が、どんな思いで命をおとしていったか、と考えると苦しかったです。人が人を殺す行為は、どんなにつらく悲惨か世界中の人は知るべき。日常でも小さな戦争が起きていると私は考えている。小さな争いが積み重なることで国規模の大きな戦争になりうる。二度と戦争が起こらないために、国民一人一人が毎日を大切に、他人を尊重して生きていくべきだ。ずっと平和が続きますように。ずっと、この資料センターを大切にして下さい。(8月16日 神奈川県 高校3年 H.K)

◆夏休みの宿題でレポートを作るために来ました。爆弾や当時の服などが展示されていて、当時の人達の生活が少し理解できた気がしました。特に印象的だったのは、人が死んでいる所の写真でした。まっ黒こげになったり、窒息したりして死んでしまった人をたくさん見て衝撃をうけました。戦争で人が亡くなる時は外国人か日本人かも関係なく無差別に殺されていくということは知っていたけれど、実際に自分の目で見るとやっぱり悲しくなりました。今の若い人達は、戦争があったことは知っているけれど、自分の目で見たり、経験したりした事がない。なかには戦争をしてもいいと思う人もいるけれど、そういう人達こそ戦争体験者の話を聞いたり、このような資料館に来たりした方がいいと感じました。私のおばあちゃんは戦争体験者で、よく小学生だった当時の話をしてくれますが、それでも実際に自分の目で見て感じることが大切だと思います。この資料館を後世の人に見てもらうためにこれからも守って下さい。(8月17日 豊島区 中学3年 Y.K)

―大人―
◇焼け焦げた日用品の数々、子どもとそれをおぶっていたお母さんの写真、胸が痛くなるような思いで見ました。普通の人の、普通の日常がほんの少しの時間で奪われてしまう。戦争の怖さ、非人間性を考えさせられました。本来は国を上げて記録として残すべき資料館です。(7月8日)

◇横浜から孫(小学生)を連れて夫婦で初めて来ました。孫が国語で「一つの花」を勉強しているので、戦争の実態を教えるためです。今の世の中、多くの人が前の戦争のことを忘れてしまっているようです。このままだと「いつか来た道」に戻ってしまうのでは?と強く感じています。(7月21日 70代)

◇原爆の絵展のボランティアをしていますが、被爆者の描いた絵を見る時と同じように、胸の潰れる思いで展示を見ました。また仲間と一緒に来たいです。(8月29日 65歳)

◇学校では深く戦争のことを学ばない・・・だから、大人になっても戦争のことは知らない。本当に恥ずかしい事だと思います。私自身、ここへ来るまで東京大空襲のことはあまり知らなかったです。まずは「戦争」のことを知らないと本当の平和へはたどりつけないと思います。この資料館が東京にあってよかった。(9月2日 H.S)

◇1947年生まれの私の子どもの頃はまだ戦争の残り物がたくさんありました。防火用水とか防空壕とか、白い服を着た傷害者の方とか。戦争は絶対イヤだし、戦争になりそうな気配もイヤ。せめて自分一人でも出来ることをと沖縄、長崎、広島などを訪問して、自分は体験していない戦争のことをまわりに伝えるようにしています。今日やっとこのセンターに来られました。内容、展示物が充実していて良かったです。友人、知人にもすすめます。(10月3日 京都在住)

◇初めて見学して、昔、祖母が、戦時中の国策で貴金属類を差し出さなければならず、母親の形見の指輪を泣く泣く手放した話を思い出しました。又、結婚前でしたが、一緒になるはずだった方とも戦争で死別。今まで聞かされていたことをたくさん思い出し、胸がしめつけられました。戦争の記録や記憶を後世に伝え続けていかなければ、と改めて思いました。企画展にも来たいです。(10月4日 東京在住)

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